ちびしろさんぽ

脳内を ちょっといじって 垂れ流し

自立?自律?

 

人を伸ばす力―内発と自律のすすめ

人を伸ばす力―内発と自律のすすめ

 

 

面白い本だった

久しぶりにちゃんと最初から最後まで読み通そうと思える本だった

 

内発的動機づけについて知りたいと思って借りた本だったが、それに関する記述はほとんどなかった

 

この本は予想に反して上司や親、医師、教育機関関係者など所謂上に立つ人に向けたもののようで、相手を動かすにあたりどう接するのがいいのかという方針が書かれていた

 

それは相手が有能感を持ち、他者との良い関係を望み、そして何より高い自律性を持てるような支援をすることが大切だというものだった

 

一番大切なことは自律性の高さであるとのことだった

 

自律性(自立感の方が近いか)とは、その人自身がその行動を選んでやっているという感覚である

 

これは内発的な動機づけと関連があり、それをやりたいがためにやっているという感覚だ

それに対し、褒め言葉や金銭などの外部から与えられる報酬のためにやろうという気持ち(外発的動機づけ)で人を動かそうというのは望ましくない

 

言い換えればアメとムチだ

報酬も罰もやる気を削ぐし、それらがなくなればやらなくなってしまう

 

話を戻そう

つまり、部下や子供に自律的に動いてもらうことが大切だということだ

賞罰で操るよりも学習の成果が下がるという実験結果もあるとのことだ

 

では自律性を高めるにはどうすればいいのかということだが、その例の1つとして部下に仕事に決定権を与えるというものが挙げられていた

 

流石に遊びではない以上限度はある

それでも、できる範囲でやることを選ばせることは従業員のやる気を生み出すのに重要なことであろう

 

私も自分の仕事において自律性というものがあるか考えた

 

言われるがままで決定権などない

決まったことをただやることしかできない

 

そう思って悲しくなったが、環境のせいばかりにするのは自分自身に自律性がないともいえるのではないだろうかと考えた

そこで自律性について考えてみて、一番重要なことは「自分が持っている選択肢に気が付く」だろうという結論に至った

 

自分の世界観はきっとどこかに偏っていること、普段取らない選択肢の結果を悲観しがちであることも考えられた

 

そしてその対策として

・多くの人と幅広い交流をすること(偏見に気を付ける)

・幅広い世界で物見をする

・普段やらない新しいことをすることの良さを考える

・頭に思い浮かべることを書きだす

といういくつかの案を考えた

 

特に3つ目はコストが低く効果が高そうだからより詳しく考えた

・朝あるいは寝る前にやる

・1~5分ほど取り組む

・その間、音楽や動画など気を削ぐものを止める

・良し悪しや常識など抜きでなるべく思い浮かんだままのそのままを書き出す

 

朝に取り組めば自分の気持ちをスッキリさせたりその日の行動指針を見出せたりする

夜に取り組めば一日の不満をその日の内に解決したり次の日の行動指針を考えるきっかけになったりする

 

短時間に設定することで過剰に考え込むことを防ぎ、取り組みやすさが高まると思われる

 

他の刺激を断ち、思い浮かんだことそのままを書き出すことで自分の素直な思いに気が付きやすくなる

 

何も思い浮かばず何も書けなくても空白の時間を設けられるため頭と心を休ませることができる

 

 

どう終えようか

 

久しぶりにちゃんと読み通そうと思える良書だった

人の上に立つ立場の人向けの本であるのだろうが、親でも上司でもない私でも参考になるところがあった

理論が面白く実験結果を交えた主張であり説得力があった

 

https://kotento.com/2019/02/02/post-2441/

一度元の本を読まないと難しいかもしれないが、このサイトの記述はわかりやすいと感じられたので、気になる人は目を通してみるといい